Power Platform 認可設計:そのアプリが消えても残る環境×グループ 3 層の分け方
アプリごとに権限を作り込む設計は、アプリが廃止・移行された瞬間に価値を失う。組織改編のたびにアクセス権を全件触り直すのは、うっかりではなく構造の問題だ。 結論を先に置く。セキュリティ境界は環境(Environment)であってアプリではない。グループを「組織の写し」と「使ってよい人の束」の 2 家系に分離すれば、アプリが増減しても土台は揺らがない。 前提の明記:本記事が扱う「環境」は Power Platform の Environment を指す。Dataverse を持つ環境が前提であり、SharePoint リスト単体や Teams タブアプリのみの構成では環境設計の条件が異なる。 境界はアプリではなく環境Microsoft の公式ドキュメント「Security in Microsoft Dataverse」(2026 年)には次の一文がある。 “Environments act as security boundaries allowing different security needs to be implemented in each environment.” 環境がセキュリティ境界として機能するという明示的な表明だ。さらに「Power Platform environments overview」(2026 年)はアプリとデータの関係を次のように規定する。 “When you create an app in an environment, that app is only permitted to connect to the data sources that are also deployed in that same environment.” アプリが参照できるデータは同じ環境内に限られる。ただし、アプリの UI を通らなくても API(コネクタ・Dataverse Web API 等)経由でアクセスできる。アプリを壁として扱うと、API という窓から入られる。 ...